「信用取引って、なんだか難しそう…」
株式投資に興味を持ち始めると、信用取引という言葉を一度は目にしますよね。
レバレッジをかけて大きな利益を狙える一方で、「損失が大きくなる」「初心者には危険」といったイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
実際、信用取引は現物取引とは仕組みが大きく異なる投資方法です。
証券会社から資金や株式を借りて取引するため、少ない資産でも大きな取引ができる反面、リスクやルールを理解せずに始めると、思わぬ損失が発生する可能性もあります。
そこでこの記事では、「株の信用取引とは何か」という基本から、メリット・デメリット、レバレッジや売建(空売り)の仕組み、取引方法や始め方までを、投資初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
信用取引が自分に向いているのかどうかを判断するための知識として、ぜひ最後まで読んでみてください。
■この記事でわかること:
- 株の信用取引とは何か、現物取引との違い
- 信用取引のメリット・デメリットやリスク、レバレッジの仕組み
- 信用取引の始め方や取引方法、初心者が注意すべきポイント
株の信用取引とは?現物取引との違いをわかりやすく解説

信用取引とはどんな取引?
株の信用取引とは、証券会社からお金や株式を一時的に借りて行う株式取引のことです。投資家は「証拠金」と呼ばれる一定の資金を預け、その信用をもとに取引を行います。
自己資金以上の金額で取引できる点が特徴で、レバレッジを活用した効率的な投資が可能になります。
信用取引では、株価が上がると利益が出る「買建」だけでなく、株価が下がることで利益を狙える「売建(空売り)」も行えるため、相場状況に応じた柔軟な取引ができます。
現物取引との違いとは?
信用取引と現物取引の主な違いは、以下のとおりです。
- 現物取引
- 自分の資金の範囲内で株式を購入
- 購入した株式を保有し、売却して利益を狙う
- 借金が発生せず、初心者向け
- 信用取引
- 証券会社から資金や株式を借りて取引
- レバレッジにより資産効率が高い
- 損失が拡大するリスクもある
初心者はどちらから始めるべき?
信用取引は利益を狙いやすい反面、損失が発生しやすい取引方法でもあります。
そのため、初心者はまず現物取引で株式投資の基本を学び、仕組みを理解したうえで信用取引を利用するのがおすすめです。
信用取引の仕組み|買建・売建(空売り)とは?

信用取引では、証券会社の信用を利用して取引を行います。
取引方法には大きく分けて「買建(かいだて)」と「売建(うりだて/空売り)」の2種類があり、それぞれ利益の出る仕組みが異なります。
買建とは?株価が上がると利益が出る仕組み
買建とは、証券会社から資金を借りて株式を購入し、株価が上昇したタイミングで売却して利益を狙う取引です。
現物取引と同じく「安く買って高く売る」ことが基本ですが、信用取引では自己資金(証拠金)以上の金額で取引できます。
- 株価が上昇 → 売却して利益が発生
- 株価が下落 → 損失が発生
- 決済時に借りた資金と金利を返済
売建(空売り)とは?株価が下がると利益になる
売建(空売り)とは、証券会社から株式を借りて先に売却し、株価が下がったあとに買い戻して利益を得る取引方法です。
下落相場でも利益を狙える点が、信用取引ならではの特徴といえます。
- 株価が下落 → 安く買い戻せて利益
- 株価が上昇 → 損失が拡大する可能性
- 上場銘柄や対象銘柄は証券会社ごとに異なる
決済とは?信用取引は「必ず返す」取引
信用取引は、買建・売建ともに最終的に決済が必要です。株式や資金を返却して取引を完了させるため、長期保有には向いていません。
この仕組みを理解することが、損失を防ぐ第一歩です。
信用取引の最大の特徴「レバレッジ」とは?

信用取引を語るうえで欠かせないのが「レバレッジ」です。レバレッジとは、少ない資金(証拠金)で、より大きな金額の取引ができる仕組みを指します。
これにより、資産効率の高い株式投資が可能になります。
レバレッジの仕組みをわかりやすく解説
信用取引では、一般的に最大約3倍のレバレッジをかけることができます。
たとえば、30万円の証拠金を用意すれば、約90万円分の株式を取引できるイメージです。
- 少額の資金でも大きな取引が可能
- 利益が出た場合、リターンが大きくなる
- 現物取引より資金効率が高い
レバレッジは利益だけでなく損失も拡大する
レバレッジは便利な反面、損失も同じ倍率で拡大する点に注意が必要です。
株価が予想と反対に動いた場合、証拠金以上の損失が発生することもあります。
- 株価下落で評価損が拡大
- 一定水準を下回ると追証(追加証拠金)が発生
- 強制決済されるケースもある
FXとのレバレッジの違い
レバレッジという言葉はFXでも使われますが、株の信用取引はFXよりもレバレッジが低めです。
その分、価格変動は比較的穏やかで、初心者でもリスク管理しやすい特徴があります。
レバレッジを安全に使うためのポイント
- 最初は低いレバレッジで取引する
- 証拠金に余裕を持つ
- 損切りラインを事前に決める
レバレッジは、正しく使えば大きな武器になります。
株の信用取引のメリット

信用取引にはリスクがある一方で、現物取引にはない大きなメリットもあります。仕組みを正しく理解すれば、投資の幅を広げる有効な手段になります。
メリット① 少ない資金で大きな取引ができる
信用取引の最大のメリットは、レバレッジを利用できる点です。
証拠金を預けることで、自己資金の約3倍まで株式を取引できるため、資産効率を高めることができます。
- 手元資金が少なくても投資を始めやすい
- 同じ資金でもより多くの銘柄に分散投資が可能
- 短期間での利益を狙える
メリット② 株価が下がっても利益を狙える
信用取引では、売建(空売り)ができるのも大きな特徴です。
現物取引では株価の上昇時しか利益を得られませんが、信用取引なら下落相場でもチャンスがあります。
- 相場環境に左右されにくい
- 株価指数の下落局面でも取引できる
- リスクヘッジとして活用できる
メリット③ 短期売買に向いている
信用取引は決済期限があるため、短期の売買(トレード)に向いています。
値動きのある銘柄を対象に、効率よく利益を狙えるのが魅力です。
メリット④ 投資戦略の幅が広がる
信用取引を利用することで、現物取引だけでは難しかった戦略も可能になります。
- 現物株と組み合わせた取引
- 下落リスクへの備え
- 市場全体の動きに対応した投資
信用取引は、使い方次第で大きなメリットをもたらします。
信用取引のデメリットとリスク

信用取引は高い利益を狙える反面、現物取引にはないデメリットやリスクも存在します。
仕組みを理解せずに利用すると、大きな損失につながる可能性があるため注意が必要です。
デメリット① 損失が大きくなりやすい
信用取引ではレバレッジを利用するため、株価が予想と反対に動くと損失も拡大します。
場合によっては、預けた証拠金以上の損失が発生することもあります。
- 少しの値下がりでも影響が大きい
- 相場急変時に対応が遅れると危険
- 資産管理が重要
デメリット② 追証(追加証拠金)が発生する可能性
評価損が一定水準を超えると、追証(追加証拠金)を求められることがあります。
期限までに入金できない場合、強制決済されるリスクがあります。
- 突然の出費が必要になる
- 強制的に損失が確定することも
デメリット③ 金利・手数料などのコストがかかる
信用取引では、取引ごとに金利・貸株料・売買手数料などのコストが発生します。
- 長期保有ほど負担が増える
- 利益が出ても手取りが減る
デメリット④ 初心者には難易度が高い
信用取引はルールや制限が多く、初心者には難しい取引方法です。
- 決済期限がある
- 対象銘柄が限られる
- 価格変動に常に注意が必要
リスクを理解し、無理のない取引を心がけることが重要です。
信用取引にかかる費用・期間・ルール

信用取引を利用する際は、利益だけでなく費用や取引期間、独自のルールを理解しておくことが重要です。
知らずに取引を始めると、思わぬコストや強制決済につながる可能性があります。
信用取引にかかる主な費用
信用取引では、現物取引とは異なるコストが発生します。
- 売買手数料:株式の売買ごとに発生
- 金利:資金を借りることで発生(買建)
- 貸株料:株式を借りることで発生(売建)
- 管理費・名義書換料:証券会社によって発生する場合あり
これらの費用は、取引期間が長くなるほど負担が大きくなります。
信用取引の期間と決済ルール
信用取引には決済期限があり、無期限で保有できるわけではありません。
- 制度信用取引:原則6か月以内に決済が必要
- 一般信用取引:証券会社ごとに期限が異なる
期限までに決済しない場合、証券会社によって強制的に決済されます。
知っておきたい信用取引のルール
信用取引は、金融商品取引業者が定めるルールに基づいて行われます。
- 証拠金維持率の管理が必要
- 一定水準を下回ると追証が発生
- 対象銘柄や取引所が限定される
日本証券業協会などのルールを理解することが、安全な取引につながります。
信用取引はどんな人に向いている?

信用取引は、誰にでも向いている投資方法ではありません。メリットとリスクの両方を理解したうえで、自分の投資スタイルや経験に合っているかを見極めることが大切です。
信用取引が向いている人の特徴
以下のような人は、信用取引を活用しやすいといえます。
- 株式投資の基本をすでに理解している
- 現物取引の経験があり、売買に慣れている
- 短期的な値動きを見ながら取引したい
- レバレッジやリスク管理の重要性を理解している
- 証拠金や資産に余裕を持って投資できる
相場の状況を見極めながら判断できる人ほど、信用取引のメリットを活かしやすくなります。
信用取引が向いていない人の特徴
一方で、以下に当てはまる人は注意が必要です。
- 投資初心者で仕組みがよくわからない
- 大きな損失が出ると精神的に耐えられない
- 長期保有でじっくり資産を増やしたい
- 値動きを頻繁にチェックする時間がない
信用取引は、時間管理とメンタル管理も重要な取引方法です。
初心者はどう始めるのがベスト?
投資初心者の場合は、まず現物取引で株式投資の基礎を学ぶのがおすすめです。その後、少額・低レバレッジで信用取引を試すことで、リスクを抑えながら経験を積めます。
信用取引の始め方|口座開設から取引までの流れ

信用取引を始めるには、いくつかの準備と手続きが必要です。流れを理解しておけば、初心者でもスムーズに取引をスタートできます。
ステップ① 証券口座を開設する
まずは、金融商品取引業者として登録されている証券会社で口座開設を行います。多くの証券会社では、オンラインで無料開設が可能です。
- 本人確認書類を提出
- マイナンバーの登録
- 取引ツールの準備
ステップ② 信用取引の申し込み・審査
証券口座を開設したら、信用取引の利用申請を行います。
信用取引はリスクが高いため、証券会社による審査があります。
- 投資経験や資産状況を確認
- 審査に通過すると利用可能
- 日本証券業協会のルールに基づく
ステップ③ 証拠金を入金する
信用取引では、取引の担保として証拠金を口座に入金します。
証拠金の金額に応じて、取引できる株式の金額が決まります。
- 余裕を持った金額を入金
- 証拠金維持率に注意
ステップ④ 注文・取引を行う
準備が整ったら、実際に注文を出して取引を行います。
- 買建・売建を選択
- 銘柄・株数・価格を指定
- 決済タイミングを意識
最初は少額から始めるのが安心です。
初心者が信用取引で失敗しないためのポイント

信用取引は正しく使えば便利な投資手法ですが、初心者がいきなり始めると失敗しやすいのも事実です。
ここでは、リスクを抑えながら信用取引を行うための重要なポイントを紹介します。
ポイント① レバレッジをかけすぎない
初心者が最もやりがちな失敗が、過度なレバレッジです。
最初から最大倍率で取引すると、少しの価格変動でも大きな損失が発生します。
- 余裕を持った証拠金で取引する
- 低レバレッジから始める
- 無理な資金運用をしない
ポイント② 損切りルールを必ず決める
信用取引では、損失を早めに確定させる判断が重要です。
- あらかじめ損切りラインを設定
- 感情に左右されない
- 損失を引きずらない
損切りは、資産を守るための大切な行動です。
ポイント③ 少額・短期で経験を積む
最初は、利益を狙うよりも経験を積むことを優先しましょう。
- 取引数量を抑える
- 短期取引で状況を把握
- 値動きに慣れる
ポイント④ 情報収集と銘柄選びを怠らない
信用取引では、銘柄選びが結果を大きく左右します。
- 出来高の多い銘柄を選ぶ
- ニュースや決算情報を確認
- 相場全体の流れを意識
ポイント⑤ 現物取引と併用する
信用取引だけに頼らず、現物取引と組み合わせることでリスク分散につながります。
まとめ: 株の信用取引とは?仕組み・メリットとデメリットなどをわかりやすく解説

株の信用取引とは、証券会社の信用を利用して資金や株式を借りて行う取引方法です。
レバレッジを活用することで、少ない資金でも効率よく利益を狙える一方、損失が大きくなるリスクや追証、各種コストが発生する点には注意が必要です。
また、信用取引では買建だけでなく売建(空売り)ができるため、相場の下落局面でも取引チャンスがあります。しかし、決済期限やルールがあるため、長期保有には向いていません。
初心者の方は、まず現物取引で株式投資の基本を身につけたうえで、少額・低レバレッジから信用取引を試すのがおすすめです。
仕組みとリスクを正しく理解し、自分の投資スタイルに合った形で活用することが、信用取引で失敗しないための重要なポイントといえるでしょう。







